中国に行くなら、どのように中国人と接すれば良いかを学んでおいた方が良い

初めて中国に行ったのは、今から25年ほど前だったと思う。当時は上海の南京路歩行街がまだ歩行者天国になる前であり、自転車が大量に走っていた頃だった。この時、初めての中国でカルチャーショックを受けました。そして21世紀になってから何度も中国へ出張に行く機会がありましたが、一般の中国人と接する機会はどちらかというと少なかった。しかし、最近は仕事で一般の中国人と接する機会が増えてきた。

普段道路を歩く時から仕事中、それから食事の時など、日本人であれば常識と思われるような事が、そうではない場合もある。そんなわけで、読んだ本の紹介と僕なりの経験などを書いてみたい。

宴会という戦場 白酒という銃弾

僕は既に何度も中国へ行っていますが、普通の中国人と接する機会が増えたので、この本を読んでみました。☞ 2020年3月現在、ここで紹介していた「宴会という戦場 白酒という銃弾」の販売をされていないようなので、本へのリンクは削除しました。

少々大げさに書かれているようにも思いますが、大まかには書かれている通りかと思います。ただ、「中国人は運動神経が良い。」と書かれている一節がありますが、その理由として中国の交通事情を挙げられていた。

中国では日本と違い、歩行者優先ではない。いや、法律上は歩行者優先なのかもしれないが、それが守られていない。普通に青信号の横断歩道を渡る場合でも車に注意していなければ、轢かれそうになることがよくあったりします。歩行者も横断歩道のない道路、しかも片側2車線以上の場合でも車の通るタイミングを見計らって渡って行く人をよく見かける。

このように中国人は、普段道を歩くだけでも車の動きに注意を払い、車を避けて歩いているので運動神経が良くなるとこの書籍には書かれている。が、僕はこのことで中国人の運動神経が良くなるとは思っていない。あのような交通事情の中で生活しているうちに阿吽の呼吸が生まれているだけではなかろうかと思っています。

その他のことに関して、特に仕事として中国に行った際、中国人とはどんな人か?どのように接すれば良いのか?と思ったら一読して損はない書籍です。特に乾杯をどう乗り切るかは、お酒を飲む人なら知っておくべきでしょう。

ここから下は僕の経験から中国人について書きます。上で紹介した書籍の内容と被るかもしれませんが、僕自身の目線から思うことです。

働かない人がいる

僕が主に接している中国人は、日本で言えば平社員から中間管理職くらいの人たち。総経理(社長)クラスの人にも会うことはあるが、接待(会食)をしてもらう時くらいです。

普段一緒に働く人達が、一般のサラリーマンクラスの人。人手は沢山あるので、大勢の人達が来てくれる。しかし、この中にほとんど働かない人が大抵存在する。ひどい時は半分くらいの人が働かないこともある。だが、この人達を注意することは止めておいた方が良い。

注意するのであれば、中国側の責任者が注意してくれるのを待つのが良いだろう。ちなみに一緒に働いている周りの中国人は注意しません。なので、ある意味部外者である我々が注意するのは控えた方が良いと思います。メンツを潰すようなことは止めておきましょう。

働かない人がいるからと言って、仕事が進まないわけではない。何しろ人が多いので人手を増やしてもらえば良いのだ。けど、焦って日本人的なペースで仕事をするのは諦めた方が良いかもね?

約束はあって無いようなもの?

仕事の上でだが、「これ○○日までに出来ますか?」と聞いても必ず「出来る。」と返事をします。このことは上で紹介した書籍にも書かれていますが、中国人はプライドを大事にするので、「出来ない。」とは言いません。それと、「出来ない。」と言うと、その場が収まらなくなるから「出来ない。」と言わないのかもしれない。

このような調子なので、約束事はアテにせず、自分の目で確認して約束通りに出来るかどうか確認した方が良いだろう。

乾杯

中国に行って最も大変なのがこれ、「乾杯」である。中国に仕事で行くと、まず確実に経験するであろう乾杯。これが中々に大変なのだ。

僕は出張で中国に行けば、1ヶ月から2ヶ月滞在することがよくある。そうすると、その間に食事会が大抵3回くらいはある。こちら側である日本人数人と先方の中国人数人から場合によっていは10人以上である。仕事が終わり、最後の打ち上げ的な宴会になった場合は、更に大人数の場合もある。

白酒という強烈なお酒

近頃は中国人もビールを飲むことがありますが、乾杯のお酒は基本的にはアルコール度数50度以上の白酒が基本。少しアルコールが薄く、40度台の白酒もあり、これは50度台の白酒に比べると比較的飲みやすい。しかし、乾杯が始まればどちらで飲んでも大変なことには違いない。

参考リンク: 白酒 – 中国酒大全

乾杯のルール

宴会の際、中国人は白酒を飲む際に乾杯を求めてくる。その相手は客人である我々日本人になる。なので、こちらの方が少人数の場合は、余計に不利な状況になる。中国人側が倍の人数なら、単純計算なら中国人の2倍のお酒を飲む羽目になってしまう。

それでも、乾杯をして白酒に口をつけるだけとか、半分だけ飲んで許して貰えるなら良いが、相手は全部飲むことを求めてくる。これが中国式乾杯のルールです。白酒は小さなショットグラスで飲むのが普通ですが、これが無い場合は小さめのグラスになったりするので、その場合は更に警戒が必要です。

このようなグラスで乾杯します。

乾杯を乗り切るには?

正直、僕には乾杯を乗り切る良い方法は分かりません。お酒が飲めないのであれば、最初から「全く飲めない。」と言って断ってしまうのが良いです。

どちらかと言えば、お酒が飲めるタイプの方が、乾杯は危険なように思います。この人は飲めると思えば、相手も乾杯をしてくるからだ。お酒に自信があるほど注意した方が良いだろう。

アルコールというのは、飲んでから身体に回るまで時間差がある。白酒のアルコール度数は50度以上もあるので、飲み過ぎてしまった場合に自分で思っていたよりも酔いが回ってしまう事がある。お酒に自信があるほど、そうなってしまう可能性が高いだろうから、自重したいところだ。しかし、酔っ払って勢いがつくほどに自重する気持ちが無くなってしまいます。

酒飲みの方は、酔っ払う前に如何に自重するかがポイントになるのですが、求められる乾杯を避けるのも難しいところです。ある程度乾杯したら、「もう飲めない。」と断るのが一番かもしれない。(断ることが出来ればですが。)

急激に酔いが回るのを避けるため、宴会の時は水かお茶を用意しておいてもらい、乾杯した後はそれらを飲むようにすればよい。それと宴会の最初に出来るだけ料理を食べておきましょう。

まとめ

中国人と接する際、宴会での乾杯というのは大切なことであり、場合によってはここで相手からの好感度が決まってしまうかもしれない。しかし、相手が求めるまま乾杯に応じると、慣れない日本人はあっと言う間に飲み過ぎてしまう危険がある。

相手の面子を傷つけず、上手く乾杯を乗り切れるようになりたいのだが、中々これが難しい。

あと、中国人に対して日本人はあまり良いイメージを持っていないかもしれないが、人対人として付き合えばそうでもありません。勿論、国民性の違いがあるので、日本人としての常識が通じない面はありますが、人としての優しさのようなものは同じだと感じます。