関節症性乾癬の検査

普段通っている皮膚科の先生に紹介してもらい、先日大きな病院で関節症乾癬の検査を受けた。

経緯

10数年前の関節症乾癬の疑い

僕自身は、10数年前から関節症乾癬の可能性もあるのではないかと思っていた。現在は痛みも無くなっているが、10数年に右手親指から母子球近くまで腫れて痛みが発生した事がある。痛みに思い当たる節もないし痛みも中々治まらない。当時皮膚科(この時も大きな病院に行っていたが、薬が無くなった時に行くくらいだった。)に行ったついでに、整形外科も受診した。

確か皮膚科からの紹介で受診したはずなので、僕が乾癬であることは整形外科の先生もわかっていたと思う。で、レントゲンを撮ってもらい、診断してもらった結果「異常無し。」であった。

見た目でも明らかに腫れているし、関節も多少変形しているのだが、レントゲンには異常と思われるものは写っていないようだった。「これは開けてみなければ、わからないね。そういうわけにはいかんけど。」というようなことを先生に言われた記憶がある。

日常生活で困るほどでもないし、切開してまで調べる事もないかと僕自身も思うので、そのままにしておいた。ただ、中々痛みが治まらないので、もう一度整形外科を受診した記憶がある。この時も「異常無し。」との診断だった。

10数年前に発生した痛みは、治療もせずにそのまま放置されたまま。結局原因不明の関節炎といったところでしょうか。しかしその後、関節の変形は少し残っているものの、痛みは消えて今に至ります。

10数年前に痛みがあった右手親指。
10数年前に痛みがあった右手親指。

この写真が10数年前に痛みが発生した右手親指です。現在は痛みも治まり、日常生活には全く問題ありませんが、このように関節が真っ直ぐになりません。人によっては反対側に反り返るかと思いますが、とてもそこまでにはなりません。左手で押してやれば、もっと真っ直ぐになるので、本当に関節には問題が無いのかもしれませんが。

この1年

ここ数年間は乾癬の皮膚症状が悪化してきたので、定期的に皮膚科に通うようになった。これまでは、大きな病院に薬が無くなった時に行くくらいだったが、今は自宅近くにある個人で開業している皮膚科に通っている。

昨年の秋頃だったと思うが、右手小指の第2関節に痛みが発生した。これまた痛みの原因に心当たりが無い。僕としては乾癬の影響ではないかと最初から疑っていた。

皮膚科に行った際、先生に相談してみたところ、「皮膚症状が軽いので、可能性は低いのでは?」とのことで様子を見ることになった。しかし、今年になっても痛みが治まらないので、近くの整形外科を紹介してもらった。

以前、大きな病院で診てもらった時と同じく、レントゲン撮影をしてもらい診察。「異常は見られないが、乾癬の影響である可能性が大きい。」とのことであった。これが今年のゴールデーンウィーク前。

整形外科で診てもらった後、暫く海外出張に行ったので、その診察を受けてから皮膚科に行ったのは2ヶ月後くらいだった。先生もわかっているだろうが「乾癬の影響の可能性が高い。」と言われたことを伝える。

関節症性乾癬は、大きな関節に症状が出てきたら、日常生活に支障をきたしてくる可能性もあるので、いつもと反応が違う。「これは大変だ!」という感じだったと思う。「腰が痛くなったりしないですか?」とも聞かれたが、今のところは大きな関節に症状は現れていない。

僕自身の受け取り方は、10数年前から疑っていたのだから今更そういう診断を下されても、ついさっきまでの自分と変わるわけでもない。なのでショックを受けるということも特になかった。とはいっても、この時点では「関節症乾癬の疑い。」というところで留まっている。

大学病院での検査

先生から大学病院を紹介してもらい、関節症性乾癬かどうか検査することになった。今までもそうであったように、関節症性乾癬かどうかを診察することは、医師であってもそういう目で見なければ難しい。このことを先生もわかっているので、関節症性乾癬にも詳しい医師を紹介していただいた。

1回目の検査

検査のために2回大学病院の皮膚科に行った。1回目は血液検査とレントゲン撮影、それから皮膚症状の写真撮影だった。

今回の診察は簡単に終わった。右手小指の痛い部分を伝えた。先生自身が皮膚症状を確認することはなかった。治療方針としては、こちらで関節症状を診てもらい、皮膚症状については今まで診てもらっていた近くの皮膚科を引き続き受診することになった。

それと、今回の診察で新しい治療法、生物学的製剤についての冊子を頂いた。皮膚症状の重い方や、関節症状のある患者さんに良いらしい。しかし、高価な治療方法なので、高額療養費制度を使った場合の負担額を会社で聞いてくるように言われた。

次回、痛みが発生している右手のMRI検査をすることになり、この予約をして今回は終了。費用は5,290円でした。

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2回目の検査

1回目の検査から約3週間後、2回目の検査を受けた。造影剤を打ってのMRI検査だ。MRIも造影剤もはじめてなのだが、人によっては副作用もあるらしい。

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造影剤を打つため、点滴の針を看護師さんに刺してもらい、その状態でMRI検査の部屋へ。右手を固定され、片手を万歳したような状態でMRIの装置へ寝そべって検査を受ける。

時間は30分くらい、音もうるさいし片手をずっと上げているのも少ししんどいが、なんとか我慢出来る範囲。副作用も出ずに検査は終了した。副作用が発生するとすれば、検査の最中からその症状が現れるそうだ。

診察

MRI検査が終わり、次は診察。前回のレントゲン写真と今回のMRI画像を見ながら先生に説明して頂く。

まず、関節の変形は関節部分の隙間が小さくなっていき、次に体側の骨が先端側の骨に食い込むようになっていくらしい。僕のレントゲン写真をみたところ、まだ大きな変形は見られないようだが、「右手小指の第1関節の隙間が小さくなってきている。」とのこと。

「あれ?痛いのは第2関節ですけど。」やはり診断が難しいのかな?次いで、MRIの画像。

「よく光ってますね。」というのが、先生の第一声。これまた「痛いのはここだけなんですけど。」と言って右手小指の第2関節を指す。僕もちらっと見たけど、手のひら全体に結構光っている部分がある。造影剤を打ったら、このようになるのか!と思った。

痛みがある部分より、その他の部分に問題があるようなMRI画像であったが「潜在的に持っているのかな?」というのが先生の見方のようだった。まあ、爪にも症状が出ることが有るので、その為かもしれない。

前回来た時も言われたが、今回も「注射(生物学的製剤)した方が良いのだけど。」と、おっしゃった。が、費用が高いので安易にその治療を受けることは出来ない。なので半年毎にMRI検査を受けて様子を見ることになった。

今回の費用は8,680円。1回目と合わせると13,970円になります。これでも結構な負担だなあ。そういえば、血液検査の結果を聞いてないやん。

現在痛みがある右手小指の第二関節。
現在痛みがある右手小指の第二関節。

上の写真が現在痛みがあり、今回MRI検査をした右手小指の第二関節です。腫れているのがわかるでしょうか。

まとめ

僕自身は、10数年前から関節症性乾癬かもしれないと思っていた。なので、今回医師からもその可能性が高いという診断を受けても、やっとか!という感覚であったりする。

ただ、やはりこの関節症性乾癬を診断するのは医師であっても難しいということはよくわかった。この病気の治療をするには、まず乾癬に詳しい医師を探すところからになります。

僕も経験がありますが、街の小さな医院で診て貰ったら、簡単に診察してステロイド剤を貰って終わり。というような事がありました。治療法と言っても、それくらいしかないので、そのような診察になってしまうことも理解出来るが、もうちょっと患者の身になって診察出来ないものかと思います。